薬剤性肺炎

症状

薬剤性肺炎(やくざいせいはいえん)では発熱、咳を薬剤投与後すぐに出現させ、悪化すると呼吸困難を随伴させます。また症状の出現に薬剤を利用してから数週間ないし数ヶ月かけて徐々に出現させる慢性の症例もあります。検査では赤沈亢進、好酸球及び白血球の増多、そしてCRP上昇が認められます。診断では投与されている薬から判断することになります。

原因

薬剤の利用が原因であり、この種類は常に変化します。好酸球性肺炎、過敏性肺炎、急性瀰漫性間質性肺炎、慢性瀰漫性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎を随伴する気質化肺炎などが示されるものとなります。間質性陰影がスリガラス状に胸部X線写真や肺CT画像において示されます。また慢性化したものでは網状陰影、瀰漫性粒状が主に両方の下肺野において示されます。本症では、線維化を随伴させず好酸球が肺胞腔内及び肺胞間質に見られる病態、器質化肺炎を主軸とした閉塞性細気管支を随伴させた病態、リンパ球浸潤を随伴させた肺胞における間質性炎症及び線維化を随伴させる病態、細胞浸潤があまり見られず肺胞腔内蛋白滲出及びヒアリン膜形成並びに間質浮腫を随伴させる病態があります。尚、原因とされる薬を大別すると、抗癌薬、抗菌物質、降圧薬、吸入薬などがあります。他にも抗鬱薬や抗癲癇薬、インターフェロンαなども該当します。

治療法

原因と考えられる薬剤の利用を止めます。また副腎皮質ステロイド薬の投与による治療方法もとられます。