高プロラクチン血症

症状

女性では漏出症、無月経、月経不順、不妊などが大半のケースにおいて生じます。男性では女性化乳房のほか、男性の機能低下などを示します。また視力及び視野の障害、頭痛、下垂体前葉機能低下症、尿崩症、吐き気などを見ることもあります。その他、漏出症において男性では凡そ一割程度の患者に見られる一方、女性では七割程度の患者に認められます。乳が生成された際、その量も少ないとされます。

原因

血液内において下垂体プロラクチンの過剰分泌からプロラクチンが増えたものを言います。この物質は下垂体前葉においてプロラクチン細胞より生成され、その後分泌されます。また血管作動性腸管ポリペプチド及び甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンは視床下部下にあり、これらはプロラクチン分泌を促す働きがあると言われています。高プロラクチン血症(こうぷろらくちんけっしょう)を引き起こすものでは、下垂体腺腫、異所性プロラクチン産生腫瘍、視床下部及び下垂体茎障害、慢性腎不全、精神疾患、機能性高プロラクチン血症、原発性甲状腺機能低下症、多嚢胞性卵巣症候群、胸壁及び神経系刺激性障害、薬剤などが挙げられます。この薬剤ではドパミン拮抗薬、抗精神薬、三環系抗鬱薬、降圧薬、H2拮抗薬などが該当します。

治療法

原因によって治療方法も異なってきます。プロラ口ノーマ及びマクロプロラ口ノーマに対する薬物療法ではブロモクリプチンといったドパミン作動薬に効果が認められています。また薬物療法と共に手術が実施されることもあります。甲状腺ホルモン補充療法は甲状腺機能低下症に適用され、甲状腺機能の回復に少し遅れてプロラクチン分泌が適正範囲内となります。その他、薬剤に起因するものでは利用中の薬物投与を停止することで改善が示されます。