神経芽腫

症状

上腹部に生じるケースが多く、腹部腫瘤の形をとって表面は硬く整っていない状態となります。痛みはありません。汎血球数の低下は骨髄浸潤に起因して生じ、腫瘤及び骨痛は骨への転移から出現します。肝腫大は肝臓への転移が見られた場合に生じ、高頻度で腫瘍内出血が認められます。更に皮膚結節なども見られます。眼球突出やその周りの出血斑は頭蓋内へ転移した場合に出現します。また頭蓋内圧亢進症状を呈するため、嘔吐や頭痛なども訴えます。全身性の衰弱や熱の上昇などは播種若しくは進行性のケースで見られます。その他、脊髄圧迫症状やホルナー症候群、そして呼吸困難、嚥下障害といったものを頸部腫瘤など圧迫に起因して出現します。尚、神経芽腫(しんけいがしゅ)は神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ)とも言われます。

原因

乳幼児に多く見られる疾患であり、成長段階の未熟な神経細胞を指しています。未熟な交感神経の細胞が癌化するものであり、小児の固形腫瘍では高頻度で見られます。神経堤細胞の位置する個所では、どの部分でも生じますが、大半は腹部に出現します。これが腹部腫瘤となり、多くはは副腎原発となります。表層にはおうとつが見られ、このほか、交感神経節である頸部、後縦隔、骨盤内といった個所や頭蓋内、肝臓においても見られます。早くから腎臓や皮膚、卵巣などにも浸潤し、播種若しくは遠隔転移といった形式で骨髄や肝臓、肺、骨といった個所にも及びます。

治療法

局所性の腫瘍は、外科的に摘除されます。手術の実施が難しいとされる場合、或は遠隔転移を見るケースでは、化学療法及び放射線療法が組み合わせて行われます。その他、骨髄移植や分化誘導療法、そして様々な免疫賦活療法が行われることもあります。尚、多剤併用療法では副腎皮質ステロイドの他、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチンといったものが併用され、投与されます。