慢性腎不全

症状

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)では自覚症状が現れる頃には、病状もかなり悪くなっています。この病気は長期間を経て徐々に進行していくものであることからその予防が非常に大切になってきます。というのは、ある時期まで症状が悪化すると、もとに回復することはないからです。そのため、早期に検査を行い腎臓病をそれ以上悪化させないための措置が必要とされています。初期症状では、これといった症状を示しませんが、軽い疲労感や多尿の傾向があります。悪化すると尿量が減少し、食欲減退と共に高血圧になります。更に皮膚は浮腫んで茶褐色を帯び、顔は貧血のような表情になります。尿毒症を引き起こすと呼吸困難や精神神経障害、胃腸障害といったものが現れます。

原因

大半が慢性胃炎からの悪化が原因となります。近年糖尿病性腎症から発展したものも見られ、特に男性に多いとされます。また腎硬化症と呼ばれる動脈硬化や高血圧に起因するものも男性に多い症状で慢性腎不全を引き起こす一因になっています。女性では慢性腎盂腎炎から進展するケースが多いとされます。その他、妊娠腎、のう胞腎、腎結核、ループス腎炎、アミロイドーシス、痛風に起因する腎障害なども原因となります。

治療法

放置すると死に至る病気の一つですが、通常元となる病気を治療しても多くが慢性腎不全に移行してしまいます。透析治療を受ければ数年の生存は可能ですが、治療を受けていないと数ヶ月程度の余命と言われています。一般に色々な原因から腎臓が侵されていき、その期間は数年から数十年となっています。徐々に腎機能低下を引き起こし末期不全を経由して尿毒症に至ります。尿毒症が現れると間違いなく死亡します。主な治療法は透析と腎移植になります。また一日六グラム以下の減塩と体重一キログラムあたり0.5グラム程度のタンパク食に制限し、これらと共にカリウムの摂取量も減らします。合併症として高血圧も併発しているケースが多いことから降圧薬も利用されます。