起立性低血圧症

症状

起立性低血圧症(きりつせいていけつあつしょう)では一時的に低血圧を招くため失神する状態を引き起こします。また排尿時或いは咳などに起因して失神が引き起こされることもあります。特にお風呂上りや飲酒によって発症しやすいとされます。起立した際には、その直後において血圧低下が示されますが、時間の経過に伴って徐々に低血圧が明らかに示されるケースもあります。

原因

血圧調整障害を原因とする疾患であり、若年層に多く見られます。副交感神経系は反射的に血圧を抑える作用を有していますが、この神経系の正常ではない緊張亢進によって引き起こされます。こういった副交感神経系の働きは血管迷走神経反射と言いますが、異常をきたすと一過性の低血圧を惹起します。直接的に原因とされるものではアルコール中毒、糖尿病、アミロイドーシス、中枢神経障害、圧受容器反射機能低下、脱水、出血などがあります。

治療法

重症であれば、ステロイドと共に大量の食塩の投与が行われます。軽いものであれば、非ステロイド性抗炎症薬やリズミックといった血管収縮薬が役立つとされます。その他、日常生活では腹筋を強化する運動や起立時に穏やかに立つよう心掛けたり、更に下肢部に血液が低下しないような工夫もされます。尚、低血圧に起因して死亡する症例はあまり見られないため、普通は放置されるケースが多くなっています。