急性レンサ球菌感染後糸球体腎炎

症状

急性レンサ球菌感染後糸球体腎炎(きゅうせいれんさきゅうきんかんせんごしきゅうたいじんえん)。APSGNと略称されるものであり、急性糸球体腎炎の一つとなります。急性であるため、突然糸球体濾過率の低下、水分貯留、ナトリウム貯留、高血圧、蛋白尿、血尿といった症状を示します。浮腫は上肢及び顔面などに見られ、高血圧は軽いものから中程度のものを示します。また、乏尿においては数日間継続する傾向にあります。

原因

その大半においてA群β溶レン菌が原因となります。レンサ球菌は多糖体抗原の性質によってAからVに分けられています。もともと急性溶レン菌感染後糸球体腎炎と呼ばれていましたが、菌によってはβ溶血を示さないものも腎炎を惹起する要因になりうるので、急性レンサ球菌と総称して呼ばれるケースがほとんどです。この病気は若年層の発症率が高く、その中でも男性の方が多いとされています。

治療法

見通しは良く急性期の死亡率及び腎不全率は低くなります。慢性期においては上昇します。通常、保温と安静、塩分の摂取調整をしますが、これらで改善が見られない高血圧及び浮腫に対してはカルシウム拮抗薬及びACE阻害薬、ループ利尿薬を利用します。抗生物質は初期段階において数週間、セファロスポリン系、ペニシリン系を用いて感染或いはその再発防止の目的で利用されます。急性レンサ球菌感染後糸球体腎炎は自然治癒する可能性が高いとされます。