急性腎不全

症状

急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)では欠尿期、利尿期、回復期に分けられ、欠尿期には尿がにごりタンパク尿が排泄されます。また尿量が減少するため体は浮腫んで体重が増えます。それに伴って消化器障害である嘔吐、食欲不振、下痢といった症状も出てきます。利尿期には、多尿傾向になるため体重は減少していきます。また喉が渇いたり肌の乾燥といった症状が示されることもあります。回復期には、多尿、高カリウム血症、高窒素血症といった症状が改善方向に向かい、安定していきます。

原因

腎臓における濾過機能(ろかきのう)の低下が原因となっており、その理由には濾過される血液が腎臓へ十分行き渡っていない、或いは腎臓へ血液が行き渡っていても濾過機能が正常に作用しないといったものになります。具体的には、火傷や外傷、心筋梗塞(しんきんこうそく)、感染症、異なる型の血液を輸血された際、尿路が結石や前立腺肥大に起因して閉塞された場合、術後の嘔吐や大量出血といったものが原因となるケースが多いようです。

検査と診断

まずナトリウムやクレアチニン、尿量を調べる尿検査、血液検査、そして画像診断などが行われます。これによって原因となる腎不全が腎前性か腎性、腎後性のいずれに該当するのかを判定します。

治療法

浮腫みなどが見られるケースでは利尿薬、中でもループ利尿薬によっての治療が行われます。急性腎不全の治療を行う際、基本的には塩の摂取量を一日に三グラム以下とし、タンパク質も体重一キログラムあたり0.5グラム程度と制限します。また、無カリウム食に徹することになります。尚、腎前性では原因になっている病気の治療を行うと共に点滴を実施し利尿を促進します。腎後性では閉塞を除去し、利尿を促進します。ただし合併症を惹起するケースも見られますので、その治療には慎重を要します。どちらの場合も血液の浄化は必要とされています。多くは早期の治療によって腎臓機能の回復が望めます。