粘液水腫性昏睡

症状

粘液水腫性昏睡(ねんえきすいしゅせいこんすい)は進行性の意識障害を示します。また粘液水腫顔貌、甲状腺腫、乾燥皮膚、浮腫を示す皮膚、体温低下、声の変化、心拡大、深部腱反射低下或は喪失、低血圧といった甲状腺機能低下症の症状を示します。その他、低血糖、低ナトリウム血症、呼吸数減少なども見られます。

原因

放射線療法に起因する甲状腺機能低下症、萎縮性甲状腺炎、甲状腺術後、そして橋本病に起因する原発性甲状腺機能低下症などが原因となります。昏睡を引き起こすものでは、心不全や、低血糖、アシドーシス、低ナトリウム血症、感染症、消化管出血、外傷、高炭酸ガス血症などを併発した場合などがあります。また甲状腺ホルモン薬の利用を停止或は正常でない量である時に、麻酔薬、精神安定薬、鎮静薬などを用いた場合にも見られます。これには甲状腺機能低下症を治療しなかった場合も含まれます。

治療法

甲状腺ホルモン薬及びステロイドホルモン薬の投与による治療方法となります。また抗生物質を感染症に適用します。更に、呼吸不全や低体温、低血糖、低ナトリウム血症、心血管異常といったものを治療します。粘液水腫性昏睡において意識障害が急激に悪化するケースで検査を受ける際、通常、検査結果が示される前に治療を行います。これは死に至る確率が高いためで、なるべく早期に発見して治療することが大切です。尚、診断の際は脳血管障害やウェルニッケ脳症、代謝性脳症との識別が必要です。