結核性髄膜炎

症状

結核性髄膜炎(けっかくせいずいまくえん)では発熱や頭痛、嘔吐、項部硬直などが主な症状であり、緩やかに出現させます。外転神経麻痺、意識障害、脳圧亢進などが症状の悪化に伴って示されます。また胸部X線ではその大半が異常を呈し、低カリウム血症、低ナトリウム血症、白血球数の増加、ツベルクリン反応陽性などが検査において見られます。

原因

肺結核、リンパ節、骨、腎臓などが原発巣となりますが、不明の場合もあります。多くは肺結核からの血行による感染経路を辿ります。あまり見られない疾患ですが、発病すると高度な後遺症を残存させ、見通しも悪くなります。脳底部において髄膜肥厚及び混濁が強く示されることから脳底髄膜炎とも言われます。血管炎によく似た病変を脳底部における動脈群に生じさせ、ADH分泌異常な上昇、更に下垂体及び視床下部にまで障害が及びます。

治療法

症状が重ければ副腎皮質ステロイドが用いられますが、結核性髄膜炎の可能性が強ければまず、ストレプトマイシンの筋肉注射、そしてリファンピシンやイソニアジド、ピラジナミドなどの経口投与による治療方法がとられます。本症は早期発見、早期治療が大切であり、治療が遅れると死に至るケースや生存しても後遺症を残す可能性が高くなります。診断は髄液中からの病原菌特定により確定しますが、頭部のMRI及びCT、胸部X線、結核既往歴、ツベルクリン反応などを参照して判断されます。