ミトコンドリア脳筋症

症状

ミトコンドリア脳筋症(みとこんどりあのうきんしょう)の筋肉症状では筋力低下の他、筋萎縮、眼球運動障害、眼瞼下垂、赤色尿、過剰な運動後における筋肉痛、不整脈、網膜色素変性症などが見られます。脳に関わる症状では、痴呆或は認知症、痙攣、小脳失調などが代表例です。また、小児の乳酸アシドーシスで重症例の内、小脳症、脳室拡大、脳梁形成を随伴させたもの、更に大脳基底核の石灰化、カーズセイヤ症候群、MELAS症候群、リー脳症といった病型に分類されます。尚、カーンズセイヤ症候群は網膜色素変性症及び進行性外眼筋麻痺を随伴させて海綿状の脳症を大脳白質において発生する疾患であり、成人前に発症します。MELAS症候群は多巣性脳障害であり、リー脳症は小脳、大脳基底核、脳幹、視床において障害を惹起する疾患です。

原因

先天性に起因するミトコンドリアの異常が原因となります。ミトコンドリアは細胞代謝に大切な作用を持っていて、細胞内に存在しています。本疾患は重度の脳及び筋肉障害をきたすものであり、軽症であれば筋力低下のみ示され、生命に関わるものでは誕生時から発病しているケースもあります。

治療法

過剰な運動を控え、多量のコエンザイムQ及びビタミンB1の投与による治療方法があります。コエンザイムQはミトコンドリアの補酵素となります。