症状
多量の電流が生体内を通った場合、臓器を損傷させてしまうことがあります。これが心臓に起これば、呼吸や心臓が停止することもあります。少量の電流であれば、ピリピリとした痛みを生じるだけで済みます。一方、熱傷を皮膚において招く電気火花は、皮下組織や内臓、神経、筋肉にも達します。電気火花に起因する熱傷は、通常の火傷と異なり、損傷も深部に達すると言われています。見た目だけでなく、時間が経過してから著明な損壊を示すこともあります。尚、検査では、血液検査、知覚異常、患肢部阻止気圧、胸部X線、血液ガスなどが重要となります。
原因
俗に言う感電のことを指しています。生体内へ電気が流れる直接的な損傷と、感電した際の電気火花に起因する熱傷が重なって電撃傷(でんげきしょう)を生じます。家庭用電源によるものや高電圧によるものがあげられます。
治療法
人工呼吸及び心臓マッサージが呼吸停止或は心臓停止の場合に適用されます。心肺蘇生は発生現場にて行うため、傷病者への接触は電気を切ってからになります。また、普通の火傷とは違うため、熱傷面積は初期輸液の基準となりません。このため、尿量及びバイタルサインが判断材料となります。減張切開は四肢において早くから視野に入れられます。嫌気性感染を筋肉壊死に起因して生じる可能性が認められることにより、抗菌薬が投与されます。