症状
初期段階では皮膚の硬化や手指の腫れが生じ、レイノー現象を伴います。浮腫は進行性に硬化から萎縮へと進展していき、硬化した手指は固まって関節が屈曲します。全身性皮膚硬化型と限局性皮膚硬化型に分けられますが、これは硬化した領域により区別されています。通常、手指から始まった硬化は腕から顔面、胸部といった個所に拡大していきます。硬化に伴い、短指症、開口困難、色素脱失、皮膚石灰化、指尖潰瘍、皮膚潰瘍、色素沈着、毛細血管拡張などを呈し、更に筋力低下や筋肉痛、関節痛といったものも認められます。その他、間質性肺炎や肺線維症、腎性高血圧、肺高血圧、不整脈、腸管における吸収障害、食道下部拡張など多彩な内臓異常を見ることがあります。
原因
代謝異常及び免疫異常、環境因子などの関与が指摘されていますが、ハッキリとした原因は分かっていません。中年前後に好発しますが老齢者でも見られます。男性より女性に多く見られ、子供で発病するケースもあります。強皮症(きょうひしょう)は全身性硬化症(ぜんしんせいこうかしょう)とも呼ばれるもので、硬化性病変が内臓や皮膚などに認められます。
治療法
レイノー現象に対しては抗血小板薬や抗凝固薬、血管拡張薬などが適用されます。肺高血圧には、酸素吸入の他、血管拡張薬が投与されます。腎性高血圧へは血圧降下薬が用いられます。強皮症は基本的に対症療法が行われるため、副腎皮質ステロイド薬やコルヒチン、ペニシラミンといったものが用いられます。