亜急性皮膚エリテマトーデス

症状

日本では環状紅斑を示すものが多く、しばしば鱗屑若しくは小水疱を随伴させます。環状紅斑は真ん中部分が退色する特徴を持ちますが、これに対し落屑性紅色丘疹から広がって乾癬様丘疹鱗屑型を呈するタイプも存在します。亜急性皮膚エリテマトーデス(あきゅうせいひふえりてまとーです)は肩や上背、頸、顔、上肢伸側といった日光曝露を受けやすい部分において多発性且つ対側性に出現します。何年にも渡って繰り返し発症し、瘢痕形成は認めません。男性より女性に多く見られ、特に40歳前後の中年女性に認められます。SLEに比較すると腎症や中枢神経症状があまり認められない一方で、微熱や関節痛を生じます。少ない症例となりますが、小児に見られる線状皮膚エリテマトーデスもあります。

原因

紫外線に晒されることでSS-A/SS-B抗原と抗SS-A/SS-B抗体が反応し、それによって環状紅斑を引き起こすとされます。これは自己免疫システムに関わるものですが、亜急性皮膚エリテマトーデスそのものは環境及び遺伝的素因が原因と推測されています。また本疾患は限局された部分において慢性的に出現するDLEと全身において急性に出現するSLEとの中間にあたる病気と解釈されています。独特の皮疹を認めるエリテマトーデスの一型と考えられています。

治療法

微量のステロイドを内服することもありますが、大抵は外用のステロイドで改善を示します。生命予後は良く、全身症状も軽症となります。皮疹は再発傾向を示し、治療では光を遮ることが重要となります。