アナフィラクトイド紫斑

症状

成人では一割以下程度と言われており、多くは小児に見られます。アナフィラクトイド紫斑の前駆症状として足や膝の関節痛、熱の上昇、頭痛、疲れなどが見られます。また皮疹が下腿中心に現れ、点状紫斑が足背に幾つも出現します。若干隆起して、硬く、紅色丘疹を出現させ、時に小水疱が混じります。色は鮮明な紅色から赤っぽい紫、そして青っぽい紫から黄色へと経過を辿ります。症例によっては上肢や大腿部、延いては口腔や鼻腔にも及びます。全身症状としては蛋白尿若しくはそこから腎不全を招いたり、下血、腹痛、痙攣、熱の上昇、血尿、下痢といった症状を訴えることもあります。同じ紫斑でもしこりを認めたり、一挙に多く出現するとそれらが一緒になって肥大化し、出血性紅斑様の赤紫を呈することもあります。更に顔や足の甲などに一時的な浮腫みを招くこともあります。また皮疹に限定する単純型(若年女子に多い)のほか、ヘノッホ型とシェーンライン型にアナフィラクトイド紫斑は分類され、前者は耐え難い腹痛と共に消化管粘膜において出血を呈します。後者は関節の周りにおいて出血を招き、関節痛が足首や膝に認められるものです。このため、アナフィラクトイド紫斑はシェーンライン・ヘノッホ紫斑とも呼ばれている病気で小児に多く見られます。子供の場合、先に感染症を引き起こしてから、下肢において紫斑が点状に形成されます。また紫斑病性腎症を併せて発症する傾向にあり、熱の上昇や関節及び腹部症状を随伴させます。

原因

大人での原因はハッキリ分からない場合が多いとされます。小児では溶連菌の関与が示唆されており、上気道感染に続発するケースが多いとされます。またアスピリンやペニシリンといった薬剤、卵やミルクといった食物もアナフィラクトイド紫斑の発症に関与していると推測されています。

治療法

アナフィラクトイド紫斑の症状が軽ければ、止血や血管を強くする薬が使われ、安静を維持すれば一ヶ月前後で軽快を示すとされます。重度では入院の可能性もあり、免疫抑制薬や副腎皮質ステロイドの内服も適用されます。感染病巣に対しては抗生物質が投与されます。予後は良好ですが、反復することもあります。メサンギウムにIgA沈着を認める腎炎を併発することもあるため、場合によっては腎検査も行われます。尚、高度な合併症が懸念されるため、小児科や皮膚科の専門医が推奨されます。また入院施設のある病院が望まれます。