症状
多発性の淡紅色小丘疹を生じ、大きさは数ミリとなります。好発部位は、柔軟性のある皮膚上で、上腕内側、大腿内側、陰部、体幹などに見られます。特に腋窩及び陰部では小結節が見られることもあります。痒みが高度であり、掻き破って湿疹を生じることもあります。体が温まる就寝の際などは強い痒みを生じ、不眠になるケースもあります。疥癬(かいせん)トンネルは、数ミリの長さを持つ隆起性の線状皮疹のことで、メスの成虫が卵を産み付けます。主に手掌及び指間部に認められます。
原因
表皮角層内において球形をしたヒトヒゼンダニが感染することで発症します。感染経路は、直接及び間接接触であるため、時に施設内や家族内で発生します。尚、ノルウェー疥癬は、悪環境下や栄養がままならぬ状態において生じるもので、数多くのヒゼンダニが感染します。このため、高度な全身過角化を呈し、強い感染力を有するケースを言います。
治療法
症状に応じて抗ヒスタミン薬などが用いられる他、イベルメクチンの内服に効果があるとされます。また、安息香酸ベンジルやオイラックス軟膏、硫黄軟膏などが塗布されます。更に、家族なども発症を問わず、全員に塗布することが推奨されています。その他、衣類や寝具などを清潔にすることも重要です。尚、鑑別を要する疾患では動物疥癬や蕁麻疹、湿疹、虫刺症などがあり、本疾患特有の疥癬トンネルなどで判断できます。