症状
毛包性湿疹として、脂漏する顔面、頭部、腋窩、陰部などに発生します。乳児及び成人において発症しますが、いずれも同様の症状を呈します。しかし、少し違った臨床経過を辿るため、同じ病気として扱うかどうかは賛否両論となっています。紅斑性局面及び油脂性鱗宵が主症状であり、痒みはほとんど感じられません。再発性且つ慢性であり、思春期を迎えた後は、鱗宵を随伴させた紅色局面形成が鼻唇溝或は眉毛において認められます。また、フケが頭部に増えます。生後数週間では眉毛や前額などに落宵性紅斑局面が認められることもあり、痂皮の固着が見られます。
原因
皮膚へ遊離脂肪酸が刺激を与えることが原因であり、この物質は分解産物となります。つまり、皮膚に常在するトリグリセリドと呼ばれる菌によって生じる分解産物であり、この菌は皮脂中に存在しています。その他、Pityrosporum属に分類されるMalassezia furfurなどの異常な増殖も誘因の一つとして指摘されています。脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)とも呼ばれているものであり、湿潤した場合皮膚カンジダ症、乾燥した場合尋常性乾癬に良く似ています。また乳児のアトピー性皮膚炎や、局面状類感染、Gibertばら色粃糠疹などと区別する必要性があります。
治療法
ステロイドを含んだ外用薬が用いられますが、菌が関与している場合は抗真菌薬が使われます。また、日頃から脂漏部を不潔にせず、適切な洗顔及び洗髪を行います。その他、生活リズムの改善も大切です。