扁平苔癬

症状

扁平隆起性紫紅色紅斑或は多角形の丘疹で紫紅色且つ地図状をした形態をしています。真ん中は陥凹し、成人男女に多く見られます。肥厚した鱗屑は白色をしており、光沢を持っています。局面形成も見られますが、これは融合した皮疹によるものです。外陰部、体幹、四肢関節屈側に多発し、痒みを随伴させることもあります。少ないケースで爪変形も認められます。口腔粘膜において浸潤性白斑が不揃いであり、糜爛局面若しくは白色線条を呈し、疼痛が高度に随伴することもあります。その他、顆粒層肥厚、基底層液状変性、不全角化を随伴しない過角化、表皮突起における鋸歯状延長、リンパ球浸潤が乳頭やその下層において帯状に見られます。また変性ケラチノサイトが真皮浅層に見られますが、これは液状変性に由来します。

原因

ハッキリとした原因が分からない扁平苔癬(へんぺいたいせん)では特発性に区分されますが、多くは薬剤誘発性のものとなります。丘疹及び紫紅色紅斑は、角化異常によるもので、これには基底細胞障害が随伴しています。これによってCD4+T細胞の炎症が、真皮及び表皮間にて生じます。誘発性のものでは、薬剤の他に金属アレルギーや化学薬品なども該当します。その他、関与が指摘されているものでは骨髄移植やC型肝炎などがあります。

治療法

ステロイドや抗ヒスタミン薬などが用いられます。薬剤を原因とするものでは、その利用を中止します。ただし、治癒には数週間かかります。