尋常性狼瘡

症状

扁平斑状型、増殖肥大型、潰瘍型に分けられますが、これらは臨床経過に由来する分類法です。赤褐色の小丘疹が数個融合して紅斑を生じ、次第に真ん中部分は瘢痕化し、表層は落屑します。また、瘢痕部の上側に再燃が見られ、徐々に融合を繰り返し広がっていきます。このため、大きくなり、弾性硬、浸潤且つ隆起を出現させます。更に小結節が辺縁部に見られ、赤黄褐色の色調を呈します。長期間かけて慢性経過し、萎縮若しくは潰瘍を発生させ、延いては有棘細胞癌を生じることもあります。尚、乾酪壊死を随伴させる結核結節が真皮に見られます。これはラングハンス型巨細胞や類上皮細胞から構成されます。

原因

結核感染を始めて発生させ、その際、病巣結節が皮膚に生じます。これは血行性に播種されることに起因するもので、これが再度、活性化することで尋常性狼瘡(じんじょうせいろうそう)を発症するのではないかと言われています。播種は、血行性やリンパ行性に行われますが、結核病巣は皮膚を除く部分となります。これには肺やリンパ節などが該当します。

治療法

醜形を残存させるものの、一般に抗結核薬が用いられます。しかし、治療の速度が速いと、循環不全や瘢痕化を出現させやすくなり、潰瘍が大型化するケースも見られます。尚、鑑別を要する疾患では、スポロトリコーシスや局面型皮膚サルイコイドーシス、慢性円板状エリテマトーデスなどがあげられます。