症状
咽頭痛及び発熱が急激に生じ、次第に舌へ白苔を呈し、これが数日で消失し、苺舌を出現させます。また発症してから数日で、斑状若しくは鮮やかな紅色の丘疹を大腿内側や腋窩、頸部などに発生させ、これが全身へ広がっていきます。顔面への発疹は口の周囲や鼻翼の周りで見られませんが、瀰漫性紅潮を呈します。更に灼熱感や痒みが皮疹に随伴し、加えて全身リンパ節腫脹や軟口蓋の出血斑などが見られます。その他、皺の深い皮膚では、顕著な紅潮を呈し、時に線状出血を見るケースもあります。熱が下がり出すと共に皮疹も消退傾向を呈します。治癒する際は膜様落屑が見られ、色素沈着を残存させません。
原因
A群β溶血性連鎖球菌が作り出す毒素が原因となって全身性発疹を出現させます。この菌は、皮膚や口蓋扁桃に感染します。またこの菌に感染するとリウマチ熱や急性糸球体腎炎など、合併症を引き起こすこともあります。尚、猩紅熱(しょうこうねつ)は溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)とも呼ばれます。
治療法
基本的にペニシリンGが用いられます。内服すると数日で改善を示しますが、一定期間は継続して治療します。これは中途半端に投与をやめると咽頭の溶連菌が再び増殖してしまうからで、ひいては合併症であるリウマチ熱や腎炎を防ぐ目的で継続投与が行われます。尚、鑑別を要する疾患では、薬疹や川崎病、風疹などがあげられます。