溶連菌感染症

症状

多くは、咽頭炎として三歳から六歳の小児において発症します。また皮膚感染である伝染性膿痂疹や膿皮症としても生じます。リウマチ熱や急性糸球体腎炎は、十五日程度の潜伏期を経て合併症として現れることもあります。治療への対処がうまく行かない場合、敗血症や副鼻腔炎、リンパ節炎、肺炎、中耳炎、扁桃周囲膿瘍などを発症するケースも見られます。

原因

A群連鎖球菌への感染が原因となります。化膿菌の一種であり、病原因子を種々有し、若しくは生成します。病原因子を三つ細胞壁に有し、M蛋白が主軸になります。組織細胞への付着と貪食する白血球の作用に対して抵抗を示します。感染後、M蛋白に対する免疫を獲得しますが、このことがリウマチ熱及び急性糸球体腎炎の発症に関係していると考えられています。尚、連鎖球菌は、細胞壁の多糖体C物質の抗原性と溶血性に分けられます。この中で完全溶血を呈するものが溶血性連鎖球菌、つまり溶連菌となります。この溶連菌にはA群とB群が存在し、通常、溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)と言われるのはA群となります。

治療法

A型連鎖球菌感染症が確定した場合、抗菌薬療法が実施されます。劇症A群溶連菌感染症、敗血症、重度の肺炎などに対してはペニシリンGが長期に渡って大量投与されます。本疾患では合併症であるリウマチ熱や急性糸球体腎炎を防ぎ、集団感染を予防すると共に、急性感染症の治療を行うことが中心となります。