敗血症

症状

転移性感染病巣若しくは原発性感染病巣、そして全身症状に加えて合併症に起因する症状が重複して出現します。転移性感染病巣由来の症状では多彩な皮疹、転移性多発性膿瘍などが認められ、原発性感染病巣由来の症状では臓器独特の症状の他、喀痰や咳などが現れます。全身症状では、高熱、消化器症状、頻呼吸、頻脈、意識障害などを示します。また基礎疾患由来の低体温や胆汁うっ滞に起因する黄疸を認めることもあります。

原因

大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎菌といったものが原因菌となります。通常、健康な体であれば、血中においてこれらの菌が増えることはありません。しかし、何らかの原因によって抵抗力に低下をきたしていると、敗血症(はいけっしょう)を招きやすくなります。血中に菌が感染巣から侵入することによって、全身性の発熱や呼吸数増加、頻脈といった症状を呈するものを指していて、これには原因菌の種類を問いません。そのため、全身性炎症反応症候群と言われることもあります。

治療法

人間から人間に伝播することはありませんが、原因菌を血液培養によって特定し、速やかに抗菌薬を投与する必要性があります。また敗血症を招いている、生体内の異物若しくは化膿巣をできるだけ取り除きます。更に、基礎疾患となる好中球数低下や低蛋白血症、栄養不足、糖尿病などを改善させます。尚、血中に菌が侵入していても呼吸数増加や頻脈を随伴させないケースもあり、これを菌血症と言います。この場合、敗血症よりも疾患の状態が軽度となります。