症状
少ないケースで成人型も見られますが、多くは幼児型となります。幼児型の場合、小結節や褐色斑を沢山発生させるものであり、これは膨疹が体幹及び顔面において何度も再燃することで生じます。形状は円形から紡錘形をしており、大きさは一センチ程度となります。多くは誕生後一年以内に見られ、沢山発生させます。時に単発性の結節を出現させることもあり、この場合、大きさも一センチ以上となります。膨疹を発生させますが、これは機械的刺激を皮疹部に与えることで、ヒスタミンが肥満細胞から放たれることに由来します。また、下痢、嘔吐、悪心、腹痛、ショック、心悸亢進、呼吸困難、発熱、腹痛などを随伴させることもあります。更に膨疹は紅潮します。一方、成人型の皮疹症状は軽度であり、ヒスタミン由来の膨疹も軽くなります。しかし、顕著な痒みを生じたり、全身性且つ瀰漫性皮疹、更には悪性化するケースもあります。全身性肥満細胞腫では、骨粗鬆症、肝脾腫、骨硬化、リンパ節腫脹、出血傾向などを随伴させます。また出血傾向を呈しますが、これは血小板数の低下に由来します。尚、本疾患は色素性蕁麻疹、肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)とも呼ばれています。
原因
出現する蕁麻疹などは、ヒスタミン及びヘパリン放出に由来します。これらの物質は、肥満細胞が増殖する外的刺激に起因して放出されます。しかし、肥満細胞症(ひまんさいぼうしょう)発症のハッキリとした原因は分かっていません。尚、肥満細胞腫は、皮膚に限局して生じた病変を言います。全身性肥満細胞症は、腫瘍性病変が脾臓や消化管、骨髄などに及んだものを言います。
治療法
幼児型の場合、高度な発作が見られず、皮疹もそれほど多くなければ無治療となります。これは十年程度で自然治癒するケースが多いためです。これに対し成人型は難治性となります。蕁麻疹発作は、通常の蕁麻疹と同様であり、抗ヒスタミン薬が用いられます。その他、ヒスタミン放出を誘発する要因に注意を要します。