中毒性表皮壊死症

症状

重度の薬疹であり、表皮壊死や解離を顕著に示します。薬剤摂取に起因し、紅斑及び水疱が全身に出現します。また熱の上昇も随伴します。中毒性表皮壊死症(ちゅうどくせいひょうひえししょう)はSJS進展型、瀰漫性紅斑型、特殊型に分類され、多くはSJS進展型となります。浮腫性である多形紅斑が体中に見られ、小さく暗紅色をしています。ハッキリしない境界を有し、徐々に密に沢山発生します。全身倦怠感や咽頭痛の他、口腔粘膜において重度の糜爛も認められます。紅斑は次第に水疱へ移行し糜爛を形成します。その周りには斑を生じ、その色は暗紅褐色になります。瀰漫性紅斑型は広い領域に発生した熱傷に良く似ており、発熱と共に大きな水疱が体中の皮膚に発生します。表皮は簡単にはがれます。特殊型は上記いずれの症状も呈するものを言います。

原因

薬剤摂取に起因し、細胞障害性T細胞の異常な機能亢進が原因と言われています。このため、基底層に損傷を受けるものと考えられています。また、Fas-Fasリガンドの影響も示唆されていて、これは表皮細胞におけるアポトーシス誘導に由来します。尚、中毒性表皮壊死症はLyell型薬疹とも言われます。

治療法

基本的に原因となる薬剤の利用を止めます。ステロイドの全身投与の他、熱傷と同様の治療を実施します。その他、免疫グロブリン大量投与や血症交換療法が採用されることもあります。