慢性色素性紫斑・シャンバーグ病・紫斑性色素性苔癬様皮膚炎・マヨッキー

症状

慢性色素性紫斑(まんせいしきそせいしはん)とは特発性色素性紫斑のことで、シャンバーグ病、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎、マヨッキー血管拡張性環状紫斑の三つに分類されます。また、これらを総称したものを意味します。シャンバーグ病はこの中で最も多い疾患であり、男子下腿において卵円形を構成し、ハッキリしな境界を有し、点状出血を集簇させます。そしてヘモジデリン沈着から紅褐色斑を形成し、退色に伴って新たに抹消部において点状紫斑が出現します。時に痒みを生じ、基礎には循環障害である静脈瘤のような疾患が隠れていることもあります。シャンバーグ病は四十歳以降の男性に多く、病理組織は血管壁肥厚及び血管増殖です。発症は緩やかであり、皮疹は不規則な紅褐色斑です。紫斑性色素性苔癬様皮膚炎は出血性小丘疹が下腿対側性に出現し、それが拡大し扁平隆起性小局面を形成します。大腿から腰殿部に達することもあり、経過は数年をかけます。色は鮮やかな紅色から褐色、そしてセピア褐色と移り変わり、落屑を形成して湿疹様と変化します。時に痒みを伴います。紫斑性色素性苔癬様皮膚炎は四十歳から六十歳の男性に若干多く見られ、初期は出血性小丘疹を呈し、発症は急激です。褐色調湿疹様を呈し、病理組織は滲出性変化です。マヨッキー血管拡張性環状紫斑は初期に点状毛細血管拡張として下腿に出現し、次第に出血点を形成します。その後遠心性に広がりを見せ、環状を構築します。真ん中部分は退色及び萎縮を呈し、自覚症状はありません。発症は緩やかであり、ヘモジデリン沈着から色素沈着を招きます。経過は慢性で、二十歳から五十歳の女性に若干多く見られます。尚、慢性色素性紫斑は慢性に経過する紫斑及び色素斑を特徴とする疾患です。

原因

血管壁の脆弱性や微小循環障害などの影響が示唆されていますが、ハッキリ分かっていません。ただ、薬剤や病巣感染、静脈性循環障害などが原因として指摘されています。症例によっては慢性色素性紫斑と併せて静脈瘤や高血圧などを発症することがあります。いずれも静脈圧亢進が指摘されています。

治療法

抗プラスミン、止血、血管強化といった薬剤、下肢安静及び挙上、、外用のステロイド薬などによって対症療法が行われます。しかし慢性色素性紫斑は根本的な治療法が存在していないため、基本的には対症療法となります。本疾患は進行性で慢性といった難治性の特徴を備えている訳ですが、自然に軽快することもあるようです。