家族性良性慢性天疱瘡/症状

症状

家族性良性慢性天疱瘡(かぞくせいりょうせいまんせいてんぽうそう)は、中年のかたに多く見られます。症状としては刺激による影響を受けやすい部分に集簇性小水泡を紅斑上に形成します。間擦部である腋窩、肛囲、鼠径、項頸、陰股部に発生させ、加えて色素沈着、膿疱、結痂が重なります。治癒する際は、瘢痕を形成せず、色素沈着を残存させ、痒みを生じます。時に湿潤をきたし、二次感染を招きます。見た目は膿痂疹に類似します。紫外線や摩擦、感染、高温多湿といった条件下のもと悪化する傾向にあり、家族性良性慢性天疱瘡は何度も繰り返します。

原因

染色体3q21-21、つまりATP2C1遺伝子変異が原因です。家族内同症であり、家族性良性慢性天疱瘡は常染色体性優性遺伝の病気です。先天的に表皮細胞間物質形成不全が存在し、これに感染や外的刺激などが重なって裂隙を形成します。

治療法

二次感染を防ぐと共に、ビタミンD3、エトレチナート、ステロイド軟膏を塗布します。家族性良性慢性天疱瘡は冬に軽快を見せる一方で夏場に悪化する傾向にあります。経過は慢性で、急速に悪化と広がりを見せながら再発します。