メルケル細胞癌

症状

ドーム状結節であり、径二センチ程度で硬く、色調は紫紅色ないし淡紅色をしています。好発部位は顔面であり、高齢者に多く見られます。肺小細胞癌の腫瘍細胞に良く似ており、膿染した小細胞が索状配列を呈し、密になっています。電子顕微鏡では有芯顆粒を呈し、メルケル細胞特有の像を見ることができます。

原因

メルケル細胞は表皮に見られますが、これに由来する皮膚がんをメルケル細胞癌(めるけるさいぼうがん)と言います。紅色の色調を持つドーム状腫瘤を作り、高齢者の四肢や頭頸部、顔面などに見られます。尚、診断は病理組織学的検査及び臨床像により行われます。

治療法

リンパ節郭清と共に広い範囲が切除されます。これは再発傾向を認めるためで、その他、化学療法や放射線療法などが行われることもあります。しかし、中には自然に消退した症例も見られます。メルケル細胞癌は悪性の程度が強く、やや早くから血行性転移、或はリンパ節転移を認めます。鑑別を要する病気では、悪性リンパ腫、皮膚付属器癌、無色素性といった悪性黒色腫などがあります。また肺小細胞癌由来の皮膚転移においても本疾患と良く似た症状を呈するため、鑑別対象となります。