真菌性髄膜炎

症状

真菌性髄膜炎(しんきんせいずいまくえん)において肉芽腫を脳内に発生したケースでは髄膜脳炎を呈します。髄膜刺激症候及び脳局所症状を出現させます。結核性髄膜炎に良く似た症状を示し、蛋白及び細胞数の増加、髄液圧上昇、糖質低下などが見られます。クリプトコッカスに起因する髄膜炎ではそのほとんどが亜急性或は慢性髄膜炎となります。髄液を見たところ結核性髄膜炎を良く似ていますが、本症では基礎疾患などが判断材料になります。また髄液中に含有される原因菌の特定と共に、ツベルクリン反応、胸部X線なども参照して診断されます。

原因

クリプトコッカス、アスペルギルス、カンジタ、ムコールなどが原因菌となります。また長期間に渡って免疫抑制薬や副腎皮質ステロイド薬などを多量に投与した場合も真菌性髄膜炎を引き起こす誘引になります。本症ではクリプトコッカスに起因するものが多いとされていますが、これはハトの便から増加するものです。感染巣は肺で形成されることが多く、これが血液を介して髄膜腔に至ります。また基礎疾患である糖尿病や膠原病、白血病、ホジキン病なども認められます。

治療法

本症の可能性が見出された場合、フルコナゾールやアムホテリシンB或は5-FCと組み合わせて適用されます。ただし、アムホテリシンBでは腎障害、貧血、吐き気、それに伴う嘔吐、発熱、低カリウム血症といった副作用が示されます。また長期間に渡って5-FCを投与した際、肝臓障害に加えて貧血や悪心、嘔吐などを見ることもあります。一方フルコナゾールでは副作用の程度は低くなります。