単純性顔面粃糠疹

症状

境界がはっきりしない不完全の脱色斑が見られ、拇指頭大までのもので粃糠様落屑が認められます。これらは多発性に出現し、学童期の顔面に生じます。単純性顔面粃糠疹(たんじゅんせいがんめんひこうしん)は男児に多いと言われます。多くの場合痒みをあまり伴いません。口や頬周囲など顔面に出現し、およそ数センチの直径を形成します。形状は円形から楕円形で、色は白から薄い桃色となります。表層にまかれた粉のような鱗屑を認め、角質が皮膚表層から剥がれます。若干盛り上がったように見えることもあり、稀に軽度の痒みを伴います。冬は肌が乾燥するため症状を悪くする傾向にあり、夏は日焼けによって患部が目立ちます。尚、本疾患は顔面単純性粃糠疹(がんめんたんじゅんせいひこうしん)とも呼ばれます。

原因

乾燥傾向を示す皮膚との関与が単純性顔面粃糠疹の原因として考えられています。小児ではアトピー性皮膚炎を患っている場合に見られ、いわゆるハタケとも言われる疾患です。脱色素性病変であり、小児から十代にかけて認められる疾患です。

治療法

見た目が気にならなければ、通常は放置します。本疾患は早ければ数ヶ月、長くても数年で自然消滅します。ただ、鱗屑を除去するため、無理に洗顔ばかりすると逆に症状を悪くする可能性があります。この場合、顔を洗ってから保湿剤などの塗布が望まれます。尚、単純性顔面粃糠疹はアトピー性皮膚炎や尋常性白斑、白癬菌感染症などとの区別を要するため、皮膚科での診察が望まれます。一般に、尋常性白斑では粉様の鱗屑が認められず、白癬菌感染症では次第に肥大化し、痒みを伴います。また、アトピー性皮膚炎では高度な痒みを伴います。