クロモミコーシス

症状

単発性の紅色丘疹が発生するもので、主に顔面及び四肢といった露出個所で見られます。丘疹は遠心性に広がっていく過程で、隆起性の紅色落屑を認めるようになります。見た目は環状或いは斑状になっています。中心治癒傾向を見ることもあり、軽い滲出液を生じることもあります。乾燥性の病変であるため、自潰及び膿瘍形成はほとんど見られません。また、自覚症状をほとんど示さない疣状皮膚炎を形成することもあります。クロモミコーシスは汎発化して死亡するケースもあり、一般に慢性経過を辿り、自然治癒することはありません。男女共に多くは青年期以降で発症します。

原因

黒色真菌によって肉芽腫性病変を呈します。Fonsecaea Pedrosoiが多くのケースで病原菌となります。自然界に広く存在しており、土壌や腐木、植物などに見られます。軽い皮膚外傷をから真皮内へ侵入し、感染すると言われています。尚、本疾患は、黒色分芽菌症、クロモブラストミコーシスとも呼ばれています。

治療法

一般に、切除する治療法がとられます。この場合、小形の病巣部に適用され、異常の認められない皮膚を数ミリ含めて切除されます。また、アムホテリシンBの局注やテルビナフィンの内服、そしてケトコナゾール、フルシトンといったものも利用されることがあります。その他、長時間病変個所に赤外線などを当てる温熱療法なども、行われることがあります。