ジアノッティクロスティ病

症状

潜伏期は凡そ半年以内で、十二歳までの幼小児に多く見られます。多発性に扁平丘疹を出現させる疾患であり、下肢末端部において孤立性に見られます。色調は淡紅色を呈しており、径は数ミリとなります。数日経過すると、今度は上行を示し、突如として顔面や上肢、殿部にまで拡大していきます。しかし、自覚症状はこれといったものはなく、体幹にはあまり達しません。また肝腫大や表在リンパ節腫脹を出現させます。扁平丘疹は三十日程度で自然消退します。その他、肝酵素増加に由来する肝炎症状を呈しますが、黄疸を認めません。尚、ジアノッティクロスティ病は、小児丘疹性肢端皮膚炎とも呼ばれています。

原因

B型肝炎ウイルスの水平感染が原因とされていて、家族内にB型肝炎患者が認められるケースでは発症率が高くなります。本疾患は、幼小児においてB型肝炎ウイルスへの初感染によって生じます。

治療法

インターフェロンをはじめ、グリチルリチンや抗HBV抗体高力価免疫グロブリンなどが適用されます。本疾患ではキャリア移行を防ぐことが重要となります。HBs抗原陽性が皮疹消退後も継続すると、キャリアに移行する確率が上昇します。尚、検査ではHBs抗原が陽性を呈し、血清GOT、LDH、ALP、GPTいずれも上昇を示します。診断は、HBs抗原陽性確認の他、肝腫大やリンパ節腫脹、臨床症状からやや簡単につけることができます。またHBs抗原が消えるのに数ヶ月の時間を要しますが、皮疹においては三十日程度で消退していきます。