水俣病[みなまたびょう]

症状

主に出現するのは中枢神経系の異常であり、これは脳が障害されることで引き起こされます。初期段階では頭痛をはじめ、痺れが四肢末端、舌、口唇において生じます。通常、知能レベルに異常は認められませんが、深部及び表在知覚は障害を受けます。その他、運動失調や構音障害、振戦といった小脳の症状や不安、抑鬱、興奮、不眠といった精神症状、求心性視野狭窄、アテトーシス、難聴、そして唾液分泌過多や発汗異常といった自律神経の症状などが見られます。母体に起因する胎児期においてメチル水銀へ晒された場合、知能障害、精神発達遅滞、発育不全、強直性痙攣発作などを引き起こし、これを胎児性水俣病と言います。

原因

幾つか存在する化合物のうち、問題となるのはメチル水銀です。この物質は他の有機水銀に比較すると非常に毒性が高くなっています。かつて、熊本県の水俣湾において発生した水俣病(みなまたびょう)は、有機水銀中毒(ゆうきすいぎんちゅうどく)で広く知られています。また新潟県の阿賀野川にて発症したのも同様です。メチル水銀は経口による消化管吸収だけでなく、皮膚や呼吸器からも吸収されてしまいます。ただ、経口摂取したケースでは、ほとんどが吸収されてしまい、血中においてアルブミンやヘモグロビンなどと結合します。脾臓や腎臓にも蓄積しますが、非常に多いのが肝臓となります。更に、血液脳関門及び胎盤透過性があることから、胎児性水俣病を引き起こし、中枢神経障害も見られるようになります。唾液、爪や髪、尿などからの排出も認められますが、多くは便として排泄されます。

治療法

急性中毒と慢性中毒に分類され、前者では下剤や活性炭を投与し、胃の洗浄を実施します。また、キレート療法は既に体内へ吸収された水銀を取り除く治療法として有効です。後者では、まず晒される危険から離脱させます。対症療法を実施し、キレート療法は曝露期間が長期に至らないケースにおいて適用されます。その他、リハビリテーションによって運動障害の改善を図ります。