砒素中毒[ひそちゅうどく]

症状

急性中毒と慢性中毒に分類され、前者は経口摂取を中心に生じます。一方、後者は経皮及び経気道からの吸収が中心となりますが、汚染された水を口を介して摂取することでも生じます。急性の砒素中毒(ひそちゅうどく)では嘔吐や悪心を初期段階から出現させ、必須となります。次に下痢を生じます。また重症化すると、肺水腫など呼吸器症状、そして虚脱、血圧低下、頻脈、ショックなど循環器由来の異常も生じます。更に頭痛や錯乱、興奮、痙攣発作、意識障害などの中枢神経系症状を呈します。末梢神経系では中毒を生じてから数週間後に四肢末端において疼痛及び異常感覚を出現させ、多発神経炎を招きます。この場合、重症化すると感覚異常、運動障害を示す多発神経炎を生じますが、軽度では感覚に限定されて現れます。慢性中毒では、接触性皮膚炎から次第に角化症を招き、最終的に色素沈着や白斑を見ます。更に持続させることで、ボーエン病や皮膚癌を生じることもあります。全身症状では食欲不振から痩せてしまったり、倦怠感などを出現させます。その他、急性中毒と同じく末梢神経系に異常が生じたり、高濃度に晒されることで鼻中隔穿孔を見ることもあります。

原因

砒素そのものにはあまり毒性を認めませんが、この化合物に毒性があります。昔から亜ヒ酸は自身の生命を脅かしたり、その他の事件に使われてきましたが、環境や飲食物の汚染からも多くの中毒被害を招いた経緯があります。酸化的リン酸酸化を阻み様々な中毒障害を引き起こし、軸索変性などの末梢神経症状や角化、メラニン色素沈着など皮膚症状を呈します。

治療法

ビタミンB1やビタミンB6、ビタミンB12などは多発神経炎に適用されます。急性、慢性問わず、BALがかつてから利用されてきましたが、その有効性はハッキリしていません。急性では胃の洗浄が行われ、血液透析なども合併症として腎不全を見る場合に適用されます。