症状
空気中の酸素濃度が凡そ十六パーセント以下であれば、吐き気や頭痛、耳鳴り、集中力低下などを生じます。凡そ十四パーセント以下ではチアノーゼや酩酊などを引き起こし、精神状態も不安定になります。凡そ十パーセント以下では、全身痙攣や中枢神経障害、虚脱、昏倒、意識喪失などを引き起こします。凡そ六パーセント以下になると、呼吸停止から心臓停止に至り、死亡します。尚、意識喪失しても、呼吸停止に達せず、短い時間で回復した場合は、後遺症を残存させません。低酸素状態に起因する意識障害が三十分程度継続した場合や三分以上呼吸停止が持続したケースでは、回復しても、頭痛や麻痺、耳鳴りといった後遺症が長期間残存することがあります。
原因
低酸素症を招くものであり、これは不活性ガス吸入や、酸素濃度の低い空気中において生じます。数分で悪化し、意識障害から呼吸停止、心停止といったパターンを辿ります。症状の出現は、酸素濃度16パーセントとなります。障害されやすいのは脳組織であり、これは酸素の消費量が非常に多いためです。大脳皮質において低酸素状態から細胞障害が生じると、これが進行して小脳、そして脳幹部へと及びます。
治療法
心肺蘇生法は、呼吸停止、心臓停止に適用され、酸素欠乏症(さんそけつぼうしょう)を発症してから三分以内に実施します。酸素欠乏症では、スピーディーな救急処置が重要であり、この時間を経過すると急激に蘇生率は減少します。尚、予防目的で換気や送風を十分行うことも必要です。