一酸化炭素中毒

症状

血液中に含まれるカルボキシヘモグロビン量によって症状も異なります。吸収量が一割程度では特に症状を示しませんが、増加に伴って、頭痛を生じ、全身倦怠感、脱力感、嘔吐、悪心などを示すようになります。四割程度を超過すると、心臓にも影響が見られ、呼吸や意識障害なども出現するようになります。凡そ八割程度に達すると、高度の心肺機能障害をきたし、致命的となります。

原因

ガス中毒の内で非常に多く、トンネル内、炭鉱爆発、高炉、排ガス、ストーブ、瞬間湯沸かし器、都市ガスなどが原因となります。一酸化炭素中毒(いっさんかたんそちゅうどく)では大脳などに酸欠症を招きますが、これはヘモグロビンへの親和性が一酸化炭素において非常に高くなっているためです。酸素と比較すると何百倍もあり、簡単にカルボキシヘモグロビンを作ってしまうことに由来します。無臭且つ無色の一酸化炭素は、刺激を有しないガス体であり、肺胞を介して簡単に吸収されてしまうため、急性中毒を生じます。また、壊死が両側の淡蒼球に生じ、脳浮腫が見られます。これは中枢神経系を主軸に病変をきたすためで、瀰漫性の脱髄など大脳白質に病変を見ます。

治療法

意識障害が見られるケースでは、酸素吸入が最初に実施されます。重症化した症例では高圧酸素療法が行われ、厳格な呼吸管理を要します。ジアゼパムは痙攣発作に適用され、副腎皮質ホルモン薬やグリセロールといったものは脳浮腫に対して用いられます。尚、意識障害を伴わない軽いものでは、新鮮な空気がある場所に移動するだけで治ります。