金属熱

症状

口内が乾いた感じや金属味などが初発症状となります。次いで熱の上昇が見られ、悪寒を随伴させます。マラリア様発作を呈し、異常な発汗も見られます。また嘔吐や悪心、脱力感、筋肉痛、全身倦怠感などを生じることもありますが、いずれも一日程度で改善され、後遺症を残存させることはないと言われています。金属熱(きんぞくねつ)が慢性化するケースは認められませんが、肺炎や気管支炎を合わせて発症することもあり、こうなると遷延します。

原因

発症のメカニズムには異種蛋白説とアレルギー説があり、いずれも金属フェームが外気において酸素と結合し、これが吸い込まれて肺で沈着します。前者は、金属フェームが肺組織蛋白変性を招き、これが血液中へ異種蛋白として流入し、熱の上昇を引き起こすとするものです。後者は異種蛋白が免疫によって抗原とみなされてアレルギー反応を引き起こすとするものです。職業性由来によるものが多く、銅や亜鉛といった金属を溶かす職業において生じます。インフルエンザ様或はマラリア発作様の症状を、金属フェームを吸い込んだ後、発症します。

治療法

脱水に対して輸液が実施されたり、抗生物質が二次感染を予防する目的で利用されることもあります。基本的には対症療法が中心となり、特別な治療法はありません。ただし、早くから副腎皮質ステロイド薬が利用されることもある一方で、自然治癒を目的に特にステロイド投与を行わないケースもあります。再発するケースでは、金属フェームからの離脱を早くから実施し、栄養管理や安静などに心掛ける必要性があります。