腸炎

症状

急性腸炎(きゅうせいちょうえん)では下痢と腹痛が一般的であり、血便が見られることもあります。また嘔吐や食欲不振、悪心、発熱を示すこともあります。特に感染症に起因するものでは熱の上昇を示すこともあります。慢性腸炎(まんせいちょうえん)では長期間継続して原因のハッキリ分からない下痢などの便通異常を呈します。似たようなものでは吸収不良症候群や過敏性腸症候群などがあり、いずれも本症とは異なる疾患です。

原因

摂取した食物に混入していた病原菌、暴飲暴食、抗生物質の利用などによる常在細菌の死滅、ペットの細菌などが原因となります。慢性化したものはその治癒に時間を要し、治療方法も原因によって異なります。また特異性炎症は腸結核など原因が明確にされているものを指していて、非特異性炎症はクローン病など原因のハッキリ分からない疾患を指しています。

治療法

軽い症状であれば腹部の冷えに気をつけ消化の良いものを摂取することで自然治癒するに至ります。腹部の激痛や嘔吐などが見られる際には、適切な治療方法がとられ、点滴注射も脱水の程度によって行われます。慢性の場合、原因が感染症であれば抗生物質などを用いた治療法となります。またケースによっては副腎皮質ステロイド薬の投与が行われることもあります。急性の場合も食事制限や薬物投与、脱水に対する処置がとられます。尚、原因となる疾患に見通しも左右されますが、脱水及び菌血症に起因する循環障害が見られなければ良好と言われています。