誤嚥

症状

食べ物の残りかすや胃の内容物などを誤嚥(ごえん)することで高度の呼吸障害を招くものであり、メンデルソン症候群の名称で呼ばれることもあります。初期段階では強度の酸性由来の胃液に起因する化学性肺炎を呈します。これが細菌性肺炎を招き、延いては肺水腫を引き起こすケースも認められます。尚、見通しは背景にある因子に影響されます。また診断における病歴聴取は大抵意識障害を伴っているため難しいとされます。

原因

ショックや意識障害、イレウスなどの影響によって誤嚥を引き起こす傾向にあります。肺における酸素化が障害されてきますが、これは化学性反応や食べた物に起因する物理的閉塞、誤嚥直後に生じる気管支痙攣によって生じます。また白血球エラスターゼやサイトカインなどが炎症の進行に関係があるのではないかと指摘されています。

治療法

気道吸引を何度も行いながら、気道確保、酸素吸入を実施します。気管内挿管を用いますが、軽快しない場合はレスピレータが装着されます。炎症を抑制させる意図を持ってステロイド薬が用いられることもありますが、細菌感染を引き起こしやすくなることから賛否両論となります。利用する場合は細菌検査を頻繁に行い、有効性が認められる抗菌薬が投与されます。尚、気道の洗浄は、それを行う際に用いた洗浄液をうまく吸引できないため、あまり薦められていません。また、汚染の領域を更に拡大させてしまうことにもなりかねないため、好ましくないとされます。