グリホサート中毒

症状

腹痛や下痢、嘔吐などの症状を呈します。これは界面活性剤に起因する腐食作用によるものであり、重症化したケースでは消化管出血を引き起こします。また、多臓器不全を招くこともありますが、これは細胞膨化や血管透過性亢進によるものと考えられています。

原因

アンモニウム塩やグリホサートイソプロピルアミン塩がグリホサート液剤となります。パラコートと同じく除草剤に利用されており、中毒や死亡例も見られます。しかし、グリホサート中毒によって引き起こされる中毒症状は、界面活性剤によるものの比率が高いと言われており、これは製品に界面活性剤が混入されているためです。

治療法

グリホサートの除去は血液透析に有効性が認められていますが、血液吸着では十分取り除くことができないとされます。これは分子量の小さいグリホサートに由来します。逆に、界面活性剤を取り除くには血液吸着の方が役立つとされます。グリホサート中毒は界面活性剤に起因する比率が高いため、重症化したケースでは血液吸着の実施が推奨されます。また多量の輸血を要するため、水及び電解質の調整を要します。尚、本剤に対しての特効薬は知られていませんが、下剤や活性炭が用いられます。また、胃洗浄と共に対症療法などが中心となります。