胃神経症

症状

胃神経症(いしんけいしょう)の主な症状では上腹部における疼痛、吐き気、嘔吐などがあります。いずれも継続或いは間欠的に示される傾向があり、体位変換などでその改善が認められません。

原因

報告例では情動的なストレスが原因とされるものがあります。本症では明確な概念が存在しておらず、便宜上、胃神経症と呼んでいます。症状の主軸となっているのは胃や食道、胆嚢、胆道の機能異常と考えられています。つまり、外的要因や心理的要因、或いは体質などに起因して上部の消化器機能に異常が認められるものを指しています。検査では胃電図、食道内圧、胃排出能などが調べられますが、これらでは十分と言えない傾向があります。従って診断基準も曖昧な面を含んでおり、現在も発展途上の段階と考えられます。一般的には嘔吐や吐き気、上腹部周辺の疼痛及び不快感などが継続するもので、循環器疾患が認められず、安静などの処置で軽快が見られないケースなどにおいて胃神経症が疑われます。また食道炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、結石、腫瘍などと共に肝臓、胆道、膵臓において炎症が見られないことも診断基準になります。

治療法

症状が軽ければ、消化器に影響を与える食生活や睡眠などの習慣を適正なものにする治療方法が行われます。これは精神的ストレスや生活リズムの変化から引き起こされていると考えられているためです。薬物による治療法では、ドンペリドンなど消化器へ作用するものが投与されます。症状が重いケースでは抗不安薬或いは抗鬱薬などが用いられます。