ニトログリコール中毒

症状

脱力感や倦怠感といった全身症状や痺れや頭痛など神経症状を呈します。また、異常脈波や呼吸困難、頻脈、動悸、狭心痛、胸部不快感、収縮期における血圧低下やチアノーゼなどが見られます。ハインツ小体に起因する貧血は一時的なものであり、症状も軽いものとなります。異常脈波は指先脈波検査にて示され、寒冷昇圧刺激への血圧上昇に時間を要し、最高値にまでなかなか及びません。更に心電図検査では、T波平坦化とST減少が見られます。

原因

晒される期間の影響が強く、経皮或は経気道性に生体内へ侵入します。また揮発性も非常に強いため、毒性も高くなります。継続してニトログリコールに晒されることで代償的に血管収縮作用を呈します。狭心症様の発作を招きますが、これは冠動脈における痙攣性収縮由来であり、ニトログリコールに晒された後も血管収縮作用を持続させることに起因します。このことから月曜病と言われていた経緯があります。また、持続性の貧血を呈しますが、これはハインツ小体が現れることによるもので、メトヘモグロビン生成に由来します。

治療法

職場の環境を改善させることがニトログリコール中毒では重要となります。人工呼吸や酸素吸入は出現したチアノーゼの症状の程度によって適用され、また、メチレンブルーが投与されます。その他、循環の管理と共に、静脈路をしっかりと持ちこたえます。