機能性末梢動脈疾患

症状

寒気に反応して引き起こされるものでは細動脈の収縮がありますが、これは急激に出現する傾向にあります。また継続時間も短いものから数時間示すケースもあります。指は蒼白になり、発熱や痛み、麻痺といった症状を呈します。回復に向かうと発赤を生じたり青っぽくなったりします。通常、患部を温めることで肌の色も感覚も元通りになります。

原因

機能性末梢動脈疾患(きのうせいまっしょうどうみゃくしっかん)では動脈における拡張及び収縮の作用が異常であることが原因であり、健康であれば気温などの変動に対して動脈は適正に拡張と収縮を繰り返します。これは交感神経系のうち、収縮と拡張を調整する働きに障害をきたしていることや遺伝によるものが原因と考えられています。また薬剤や病気などによっても引き起こされることがあります。

治療法

症状が軽ければ患部を寒気から保護することで調整することが可能です。動脈は情動によっても収縮を行うため、興奮などに起因する際は薬物療法などが試みられます。機能性末梢動脈疾患ではレイノー病などが良く知られますが、この疾患で使われる薬剤では降圧薬やカルシウム拮抗薬となります。原因が特定できないものをレイノー病と呼んでいますが、この疾患では上記の方法で改善が見られないケースにおいて交感神経切除術が行われることもあります。ただし、一過性の措置であるため、完治するわけではありません。一方原因の特定できるものをレイノー現象と呼んでいますが、こちらは基礎疾患の治療を行います。