症状
特発性僧帽弁逸脱症においては、動悸、呼吸困難、胸痛といった症状を示すことがあり、続発性では元となる病気の症状が主軸となります。僧帽弁逸脱症(そうぼうべんいつだつしょう)では、あまり症状を示すことはないとされていますが、他にも起立性低血圧、偏頭痛、疲労感といった症状が呈されることもあります。
原因
収縮期において左房側へ弁輪が僧帽弁を超越して入り込む症状を言い、弁尖が左心室収縮の都度、左心房内へ突出する障害が原因となります。このため微量の血液が心房内へ逆流してしまうケースも見られます。ただし、心臓の障害も程度の軽いものとなります。尚、この病気は聴診においてクリック音が認められることからクリック収縮後期雑音症候群とも言われます。
治療法
重度のケースでは弁置換術を行いますが、通常、治療の必要性はないとも言われています。続発性のケースでは元となる病気の治療が主軸となります。また、胸痛及び期外収縮が多く見られる特発性僧帽弁逸脱症候群(とくはつせいそうぼうべんいつだつしょうこうぐん)においては、β受容体遮断薬の利用と共に禁煙、飲酒制限、カフェイン飲料の制限などが行われます。これらは心拍数を低下させ、動悸などを軽減させる働きがあります。その他、感染性心内膜炎を惹起する可能性が指摘される歯科的処置、手術といったものを行うケースでは、その予防目的で抗生物質が利用されます。尚、これといった症状がなく、不整脈も認められない場合は特に日常生活に制限を設けることはないとされます。