感染性心内膜炎

症状

急性感染性心内膜炎では、高い熱と共に疲労感や頻脈などが示されます。亜急性感染性心内膜炎では、軽い発熱や頻脈と共に疲労感、貧血、発汗といった症状を訴えます。また、心臓弁に細菌や血液などで形成した血栓が溜まると、これが血管内を移動し動脈内を閉塞することがあります。閉塞されると、心臓発作や脳卒中を引き起こすこともあります。その他、顔面蒼白、関節痛、寒さ、線状出血、点状出血、血尿、胃痛といった症状を訴えることもあります。

原因

感染性心内膜炎(かんせんせいしんないまくえん)は、手術や注射、歯科的処置などに起因して細菌侵入を生じさせ、これが心内膜で増殖することが原因となります。通常、侵入した細菌は白血球によって消滅しますが、心臓弁に疾患があると、細菌は広がっていきます。具体的には尿道カテーテルや前立腺手術、消化管の手術、扁桃摘出、薬物乱用による静注などがあげられます。大動脈弁ではその多くが左心室、僧帽弁においては左心房に細菌は増殖し、心内膜から突き出して疣贅を作ります。

治療法

病原菌を同定し、有効とされる抗生物質を長期間並びに多量に使用します。炎症の改善は治療が有効であれば数日で変化が見られます。ただし塞栓症を引き起こしたり、心不全の調整や感染の制御がうまくいかないケースでは手術を行うことになります。通常数週間程度の治療を行い、抗生物質は静脈内へ投与されます。人工弁となっている心臓弁では、抗生物質の投与での治療は困難とされているため、手術によって弁置換或いはその修復を行います。