ファロー四徴症

症状

ファロー四徴症(ふぁろーしちょうしょう)では呼吸困難及びチアノーゼ発作などが示されます。チアノーゼ発作は乳幼児に多く見られる症状で、生後に皮膚が紫色に変色していきます。また手足の指の周りが肥大化し、浮腫みなども見られます。失神や呼吸困難、ひきつけといった症状を示すこともあります。合併症では、脳血栓や感染性心内膜炎、低酸素血症に起因する腎機能低下、心不全、更に赤血球増多症に起因する関節痛及び眩暈並びに頭痛といった症状も現れます。

原因

全身の酸素が不十分であることが原因となります。これは右心室から流れる血液が肺動脈へ十分流れないためで、その多くが大動脈に流れてしまいます。これが原因となって、僅かな血液が肺に入って酸素を取り入れることとなり、結果として二酸化炭素が全身を循環することになります。

治療法

手術不可の場合は、極力負担の掛けない日常生活を心がけ、呼吸器感染などの疾患があればなるべく早く抗生物質などを投与します。また心内膜炎を引き起こさないように気をつけ、抜歯などの際に細菌が増殖しないように注意する必要があります。近年、ファロー四徴症の根治手術は発達しており、早期に治療することが望まれます。また心不全などの条件の悪さが考えられる際は、根治手術を妊娠以前に行うのが妥当とされています。加齢にともなって腎機能及び心機能低下が進行し、更には心筋の繊維化も発生するため、手術の結果も悪くなる傾向にあり、術後に不整脈及び心不全といった症状が残存するケースも見られます。根治手術では、欠損孔を閉じるため、パッチ、或いは肺動脈弁切開などによって右室の通路において狭くなった部分を広げます。