高安病/脈なし病/大動脈炎症候群

症状

高安病(たかやすびょう)は発生箇所によって示される症状も違いますが、その診断は困難とされています。ケースによっては自覚症状を示さないことも少なくなく、検診などではじめて気づくことも多々あります。初期段階では頸部リンパ節腫脹、頸部痛を示すこともあるとされます。特に手首において脈を感じられないことが多いとされます。女性でしかも二十代の女性に多いとされます。これは大動脈において分岐する動脈で炎症を引き起こし、非常に狭くなってしまったために現れます。また、大動脈弁の閉鎖不全症や高血圧などが惹起されたりします。

原因

大動脈壁において免疫反応に由来する炎症ではないかと指摘されていますが、詳細な原因はハッキリ明確にされていません。近年ではウイルス感染に対する議論がなされています。名称は高安病の他、大動脈炎症候群(だいどうみゃくえんしょうこうぐん)、脈なし病(みゃくなしびょう)、高安動脈炎(たかやすどうみゃくえん)などと呼ばれています。

治療法

悪化を防ぐ意味で抗炎症薬ではアスピリン、そして副腎皮質ステロイド薬などが利用されます。急性期には特に副腎皮質ホルモン薬が利用され、その効果も良好と言われています。その他、抗血小板薬が利用されることもあります。手術では大動脈弁閉鎖不全、頸動脈閉塞、大動脈瘤などが見られた場合に適応となります。またバイパス手術によって腎動脈及び頸動脈に代用血管を適用することも考えられます。原因がハッキリと分かっていないため、血栓を防ぐことと炎症を抑えることが治療の主軸になります。尚、妊娠時には子癇(しかん)や妊娠高血圧症候群、心不全の予防が重要とされています。