胃憩室

症状

胃憩室(いけいしつ)ではほとんどのケースで格別症状を示すことはありません。発症年齢は中年以上の男性に多くなっています。

原因

管腔の外部に向いて胃壁の一部が膨隆することが原因となります。真性憩室は筋層や粘膜、漿膜の三層構造から憩室壁が成り立っているものを指していて、仮性憩室はこのうち筋層を除外したものを指します。また多くの圧出性憩室が仮性憩室となります。先天性憩室は真性憩室に分類されていて、この他後天性憩室も存在しています。こちらは圧出性胃憩室と牽引性胃憩室に分類されています。穹窿憩室及び噴門部の中で憩室が胃穹窿の後壁に見られるものは先天性の障害となります。発症率も非常に多くなっています。仮性憩室の内、噴門よりいくらか外側の後壁に認められるものは噴門部憩室となります。幽門前庭部憩室は仮性憩室であり、膵炎や胆のう炎、胃潰瘍、腹部における手術後に起因します。

治療法

多くは無症状であるため、特にこれといった治療方法はありません。ただし憩室炎や穿孔など、合併症がたまに見られるため、こういったケースでは適切な治療法が行われます。診断は内視鏡検査及びX線検査にて実施されます。卵円形から円形をした憩室の縁は平で滑らかになっているのがX線像で確認されます。また憩室内に胃粘膜襞が入っており、平で滑らかな円形をした憩室の入り口が見られます。