症状
急性胃拡張(きゅうせいいかくちょう)では腹部膨満感や嘔吐などが代表的な症状であり、初期段階ではこのうち腹部膨満感や上腹部の違和感などが見られます。次第に嘔吐を繰り返し示すようになり、吐き出されるものも緑色から茶色っぽく変色していきます。嘔吐に起因して口渇や尿量の減少が見られ、浅い呼吸を頻繁に繰り返すようになります。悪化するとショック症状を示すこともあります。
原因
薬物である抗コリン薬及び鎮痛薬など、また合併によるものでは尿毒症、糖尿病、神経性食欲不振症、急性腹膜炎、栄養失調、横隔膜下膿瘍、肝硬変、筋無力症、肝癌、脳血管障害、胆道感染症、膵臓及び腸疾患などが原因となりえます。更に麻酔薬や臓器破裂、そして骨盤内疾患や胆道疾患などによって生じることもあります。
治療法
肝不全や心不全と共に本症を生じていると見通しも悪くなります。なるべく早く適切な治療法を行うことで予後も良好になります。通常、胃の内容物を吸引し、急性胃拡張を誘引或いは引き起こしている原因を取り除く治療方法が行われます。また適宜高カロリー輸血によって十分栄養を補い、更に体液循環を適正範囲に回復させます。診断は、腹部超音波検査やX線検査によって行います。尚、近年手術における管理が厳しくなっているため、発症例は少なくなっていますが、かつては手術後に生じるケースが多かったとされています。