先天性肝内胆管拡張症

症状

腹水、食道静脈瘤、脾腫、肝腫などが小児期から出現するのは先天性肝線維を合併する症例となります。一方、これを合併しない症例では胆管炎症状である発熱や腹痛を示し、また一時的に黄疸を示すケースも見られます。

原因

カロリ病、先天性胆道拡張症に合併したもの、マイエンブルグ複合体に関与したものを含みますが、普通はカロリ病を言い、胆管炎などで小児期ないし青年期の間に生じるケースが多いとされます。中でも門脈圧亢進症の症状を示す先天性肝線維症を合併するケースでは性差はないものの、多くが小児期に発病します。先天性肝内胆管拡張症(せんてんせいかんないたんかんかくちょうしょう)は局所性拡張を肝内胆管において生じる病気であり、後天的原因である結石や炎症、腫瘍を省いたものを言います。分類上、マイエンブルグ複合体に関与し胆管疎通は認められないものの肝実質内に存在するものと拡張が肝内及び肝外胆管にて認められるもの、そして多発性嚢胞状拡張が肝内胆管末梢枝を主軸に認められるものがあります。この内、拡張が肝内及び肝外胆管にて認められるものでは、先天性胆道拡張症と同様の原因と推定されています。これは膵胆管合流異常が認められることに由来します。

治療法

合併症によって異なり、発生した病変に有効とされる治療方法が採用されます。見通しは合併した病変によって出現した状態でそれぞれ異なります。確定診断は直接胆道造影によって行われ、出現した症状を基準に腹部CTや超音波検査を実施します。