症状
凡そ三割程度の循環血液量が消失すると急性出血によってショック状態を引き起こします。また血液低下から非常に危険な状態に陥ることがあります。慢性出血では特にこれといった症状を示さないケースが多いとされます。急性出血では発症してから数日後に貧血を出現させることがあります。血液検査でも出血した直後では異常を呈さない場合があります。慢性出血においては小球性低色素性貧血を出現させ、鉄欠乏性貧血の症状を示します。具体的には総鉄結合能力の亢進、血清フェリチンの低下、血清鉄の低下を呈します。
原因
出血に起因して発症する貧血を出血性貧血(しゅっけつせいひんけつ)と言います。急性出血若しくは持続性の慢性化した出血に随伴して示される貧血を言い、前者では突如として示される循環血流量低下から急性循環不全であるショックを招くことがあります。後者では徐々に蓄積されていた鉄が減少し、鉄欠乏性貧血に至ります。
治療法
突如として発症した出血に対しては、できるだけ止血を行います。これと共に輸血を実施し、血圧を保持できるように治療を施します。濃厚赤血球の輸血は出血が600ml以上認められる場合に適用され、全血輸血は、出血が1200ml以上認められる場合に該当します。慢性出血では原因を特定することが重要であり、元となる病気があればそれを治療します。また、鉄欠乏性貧血の治療が実施されます。