マクログロブリン血症

症状

初期段階では紫斑や体重低下、全身倦怠感などを出現させます。また腫瘍浸潤に起因するリンパ節の腫大、肝臓腫大、脾臓腫大、骨痛、肺病変なども認められ、更に血清中IgM増加から血液の粘稠度の上昇、視力障害、精神神経症状、眼底出血、眼底浮腫、腎不全症状などを出現させます。

原因

免疫グロブリンのうち、IgMの異常な増加が示される疾患をマクログロブリン血症(まくろぐろぶりんけっしょう)と言います。これはB細胞における腫瘍性増殖に起因します。血清中のIgM増加とリンパ形質細胞の増殖が特徴であり、リンパ形質細胞は、形質細胞と成熟B細胞の真ん中の段階に位置します。C型肝炎ウイルスとの関与も指摘されています。女性より男性に多く見られ、発症年齢層は高齢者となります。尚、腫瘍細胞の増殖個所は脾臓、骨髄、リンパ節と色々あり、中には末梢血中に増殖を示し、慢性リンパ性白血病のそれと類型の症例を示す場合もあります。

治療法

薬物療法と血漿交換による治療方法があります。前者は副腎皮質ホルモン薬とシクロホスファミドやメルファランなどと組み合わせて投与されます。後者は血漿除去のことであり、過粘稠度症候群に適用されます。これにはIgMを取り除くため膜濾過を利用する方法と体の血漿を取り除いて生理食塩水といったもので入れ替える方法が実施されます。いずれも緊急時の過粘稠度症候群に採用されます。